レポート
2020.06.04
コロナ後の”ニューノーマル”でのビジネスを考える~DIG ONLINEレポート~
化粧品業界、外資製薬、事業開発、飲食と様々な分野のマーケター5名が登壇し、コロナ後に訪れる「ニューノーマル」におけるビジ……
公開日
2020.02.19
目次
VUCAの時代と言われる現代において、教育・人材開発の現状はどうなっていて、これからどう変化していくべきなのか?「子ども向けのビジネススクール」フォルケ学園の学長を務める眞山さん、外国人材育成やICT教育のプロ平川さんにご登壇いただき、子どもと大人の人材育成についてお話しいただきました。
■登壇者プロフィール
【眞山 徳人 氏】
合同会社フォルケCEO、リーガルテック株式会社取締役、公認会計士。
大手監査法人在職中に「子ども向けのビジネススクール」の立ち上げを志し、2016年4月に独立。私立高校向けの経営シミュレーションゲームや、公立小中学校でのプレゼンテーション授業などを手掛ける。2017年より合同会社フォルケに参画し、スクール事業として「フォルケ学園」を旗揚げ。子どもが自ら目標を立てて学びを組み立てていける「勝手に学ぶ子」というコンセプトで、教育の歪に対する問題提起を精力的に続けている。
【平川 泰輔 氏】
株式会社ストリートスマートGoogle 認定教育者、日本語教師。
25歳でIT関連会社を友人らと共同で企業。28歳で独立し、ベトナムのホーチミンでレストラン&バーを経営。日本語教師として外国人へのプライベートレッスンも並行して行う。2018年より株式会社ストリートスマートへ参画し、Google の G Suite および G Suite for Education を通じて主に大人への「教育」に関わる様々な取り組みを行っている。また2020年1月から複数の学校に常駐し、ICT化を進めるべく精力的に活動している。
▲登壇いただいたお二人。
眞山さん:教育の現状を、世界・国・学校・家庭と4つのコミュニティレイヤーで捉えてみましょう。
「世界」ではグローバリゼーションが進み、日本で活躍するための人を育てる学校教育は終わりました。社会経済環境が予測できないVUCAの世の中において、求められる人材は多様化していて、画一的な教育は変化を余儀なくされています。
これに対し「日本政府(国)」は法律や施策という方法で学び方を変化させようとしています。例としては、オルタナティブ教育(フリースクールや、オンライン教育等)を日本各地で実践できるような整備を行っています。
「学校現場」では、ハード面・ソフト面の両面で有志の方がいる現場から変わろうとしています。例えば、定期テストや通信簿などの既存の制度の撤廃や、外部講師の登用などを行っています。
設備や法律の都合変えられないものが多いなかで、考え方等のソフト面は変えていくことができます。
学校現場では「3つの価値観」を変えることを提唱しています。
1.平等の価値観
全員があまりに違う成績にならないようにする、「結果の平等」の価値観から、「機会の平等」の価値観へシフトすること。
2.人権の価値観
生まれた場所や皮膚、目の色が違っても、「みんな同じだ」と画一的な教育を行っていた所から、違いを認める教育へシフトすること。
3.役割の価値観
全員が必ず担当する当番制、日直制から、得意な人が得意な役割を任せられる適材適所制へシフトすること。
これらの変化に対し、「家庭」でできることは何でしょうか。
まず大事なのは、「裸の我が子を愛すること。」いい学校、いい会社という「王道ルート」がなくなった今、子どもたちは日々進路に迷うことになります。子どもたちが自己肯定感を育むためには、あるがままの姿を愛してあげることが重要です。
それと同じくらい重要なのが、「裸の自分を愛すること。」子どもたちは、親の自分が受けた教育と全く違う教育を受けています。その結果、自分とは全く異なる選択をして受け入れがたいと思っても、そういう自分も受け入れること。
自分と子供を愛することができれば、家庭が絶対的に安全な場所になります。家庭が安全な場所になれば、子どもたちは安心して外へ出て、失敗したり、いろんな経験をしたりできるようになります。
子どもたちは、子どもたちの目に見えている大人にしか憧れません。私たち大人が常に変化する時代にアンテナを張り、子どもたちが「こんな大人になれたらいいな」という選択肢を示していくのが、私たち大人の役目ではないでしょうか。
平川さん:
大人や外国人への教育において、僕自身も大切にしている3つのことをお伝えします。
その前提として、日本人の学習レベルは、先進諸国の中で比べると大変低いという問題をお伝えしたい。成人の学習時間が極端に少ないのです。
この原因は、そもそも勉強を好きになりにくい教育を受けていることにあると思います。子どものときに受けた義務教育の多くは、正解がある問題の答えを求める学習であり、全員同じことができるように教育する軍隊教育がベースになっています。みんなが同じことをやっているのですから、これを大人になってやるのは退屈だと思ってしまいます。
一方社会に出ると、答えのない問題にぶつかりますし、いろんな人の個性を尊重することが求められます。子どものときに学ばなかったからこそ、大人の教育では次の3つを大事にしたいと考えています。
1.主体性
主体性とは、自ら問題や課題を発見し、どのように解決できるか考えてアプローチする姿勢のことです。日本人は、受動的な教育を受けている場合が多く、仕事においてもこの姿勢が反映されている場合も多いのではと思います。AIが高度化する現代において、人間の価値は「考える力」。この価値を磨くためにも、主体性を身に着けることは重要です。
また、教える側に立つ人は、教わる人たちが主体的に学ぶことができるような伝え方を心がけましょう。「なぜこれを学ぶことが必要なのか?」を相手が理解できなければ、主体的に学ぶことには繋がりません。
2.共感
ベトナムでレストランを経営していた時、自分が思う「良いサービス」を伝えようとしたものの、ベトナム人スタッフが思うように働いてくれないという経験をしました。でも、上下関係をなくし、お店の売上アップという一つの目的を共有したところ、お互いに共感でき、お客さんに喜んでもらうためにどうするべきかをスタッフ自ら考えてくれるようになりました。この事例から感じたことは、相手と共感できる言葉を選び、お互いが共感できる共通のゴールやルールを設け同じ方向を見ることが、人材育成にとって重要なのです。そして、教える側になった場合には、教わる側が理解できるワードや説明を心がけることがとても大切になります。教える側は「伝えた」ことで教えたと認識しますが、「伝わったかどうか」が何より大切で、そのためには「伝わるワードや説明」を選んで伝える必要があるんです。
3.アウトプット
インプットしたものは定期的にアウトプットしましょう!学んだほうも、受け身で学んだだけででは身についていないことが多いものです。英単語を覚えても、英会話はうまくならないのと同じ。間違えてもいいので、どんどんアウトプットするようにしましょう。ディベートのやり方や事例をたくさんインプットだけしても、ディベートがうまくはなりません。うまくなった気になるだけです。しっかりアウトプットしてみることで自分が理解出来ているのかを本人も気づくことができ、しっかりと定着していきます。
眞山さん:人材育成を知ると、「自分が抱えていたとらわれ」が分かる
平川さん:人材育成を知ると、「自分のこと」が分かる
当日参加された方が、各自が関わる人材育成においてどのように改善できるかを主体的に考えるきっかけになりました。眞山さん、平川さん、ありがとうございました!
▲講義中も参加者のごはんを作り続けるDIG代表
*********
《DIGとは》
DIG – Do it globally –
日本全国に仲間を作る価値共感型コミュニティ
場所や時間にとらわれない自由な働き方が広まりつつある昨今。
私たちDIGは、多様な価値観やスキルを持ち、全国各地で活躍する仲間と、新たなビジネスを生み出しています。
仕事の受発注だけでなく、趣味や遊びでつながる場も多く創出。
違いを尊重し、得意をかけ合わせ、信頼し合えるコミュニティを目指しています。
DIGのメンバーは半数以上が経営者やパラレルワーカーです。経営者から学生まで、10代〜50代の経歴も年齢も違った人びとが集まりました。
拠点を全国各地に持つことにより、都市から地方へ・地方から都市へとビジネスの幅を広げ、自由な働き方へ近づくきっかけを提供していきます。
(文責・早坂遊羽)
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