アートな歯医者さんで予防の大切さを伝える むらかみひろし歯科医院 院長村上弘さん

福岡市早良区で歯科医院を運営する村上弘さん。村上さんのクリニックは、入口のカラフルな壁画に始まり、院内にも絵が並んでいて、アートギャラリーのようです。DIGメンバーには東京から定期健診に通う人もいるほど。今回は村上さんに、アートな歯医者さんができるまでの経緯やアートを取り入れている本当の理由、今後やってみたいことなどを伺いました。

 

ーいきなりですが、とてもカラフルな医院ですよね。歯医者さんぽくないというか。

あえて病院っぽくならないようにしました。歯医者って、虫歯を治療するところ、痛いことをされるところというイメージがついているので、みんな行きたくないし、来てもさっさと終わらせて帰りたいと思ってしまう。僕が歯医者をしている一番の目的は予防の大事さを伝えることなので、予防のために人が集まる場所をつくりたいと思って、面白おかしく作ってみたら、こんなことになりました。

 


▲むらかみひろし歯科医院の外観

ー絵を楽しみに来る人も多そうですよね。ところで、そもそもなぜ歯医者になろうと思われたのですか?

母方の祖父が歯医者をしていて、それをみて興味を持ったんだと思います。僕自身、昔から小さいものをいじったり、プラモデルを作ったりするのが好きだったので、おじいさんの仕事をみていて面白そうだなと思っていました。小学校高学年くらいから歯医者をやりたいな~と思っていて、小学校の卒業式の時には、「歯医者になります!」と言って卒業証書をもらった記憶があります(笑)。

 

ー小学校からすでにイメージがあったんですね。そこからずっと歯医者一本で?

基本的には歯医者を目指して勉強していました。大学に進学して、大学6年、大学院4年、その後も大学で6~7年勤めたので、15年以上大学にいましたね。多くの歯医者は、大学院に進学せず卒業して就職して、しばらくして開業する人が多いのだけど、自分は歯周病の専門医の資格をとりたくて、大学に在籍して研鑽を積みました。

 

ー今も予防の大切さを伝えることに注力されていますが、ずっと予防のほうに関心があったのですか?

歯医者になりたてのころは、ばりっと治療したいと思っていたけど、今まで一生懸命治療をやってきた結果、治療の前の段階で予防するほうがみんな幸せやなと思うようになった。再治療になりにくい確実で丁寧な治療する技術を身に着けてきましたが、治った人でもメインテナンスに来なくなって、自分が一生懸命残した歯を最終的に抜かなければならないようなことにも直面して、これじゃだめだなーと。やはり、医療の本質は予防にあるんじゃないかなと思って、予防を教育の一つとしてみんなに伝えていくのが、実は歯医者の仕事として一番大事なのかなぁと思うようになりました。それで講演とか、いろんなことをやりはじめました。

 

講演ももちろんそうだけど、SNSの発信がいろんなことのきっかけになりました。DIGに出会ったのもFacebookを始めたことがきっかけでした。SNSで自分のことや、クリニックのこと、予防のことを何か伝えられないかなと思ってやったことが、今につながってます。

 

ーなるほど…。クリニックの話に戻りますが、あの独特なデザインはどうやって作られたんですか?

デザインは、友人のデザイナーが壁や院内の壁に掛けるアート、ホームページも含めて全体的にマネジメントしてくれました。設計士さんも含めて、僕とその3人でディスカッションして、どういう病院にするかを決めました。

 

さんざん話し合って決めたけど、ずっとこのままの姿でいるつもりもなくて、流行りが変わったりあきたら壁紙も変えようと思ってます。患者さんにとっても、歯医者は長く通う場所だし、ずっと同じだとマンネリ化するでしょ。待合室にかけてる絵が変わったら、それだけで話のネタにもなるしね。その絵を別の病院に回して、掛けてもらってもいいし。将来的には、クリニックの内装やアートをサブスク化して、それをビジネスにできたら面白いなと思ってるんです。埋もれている若いアーティストの掘り起こしにもなるんじゃないかと。まあ、そのビジネスをやるためにはアーティストとのパイプも、クリニック側のパイプももっと必要ですけどね。

▲院内の様子

 

ーアートへ強い関心をお持ちなんですね。

昔からアートは好きでしたね。プラモデルつくったり、絵をかくのは好きやったし。この前も待合室の絵をかけかえたけど、そういうときはみんながどう思うかなぁと想像して楽しいね。

 

ー実際来られる患者さんや周りの方からはどんな反響がありますか?

開業してから2年半くらいたつけど、「最近まで歯医者だと気づきませんでした」という人もいました。そういう反応は「してやったり」で、まず「何だろう?」って興味を持ってもらえることが大事ですね。で、入ってみて、僕の話を聞いて、「意外とまじめな話をする先生やな」と思って信頼してくれて、通うようになってくれる。絵が好きな人も結構来てて、「この絵いいですね」って話題になることもありますね。僕もアーティストがどんな材料を使って、何をイメージして描いたかなど、ある程度知識を持って会話できるので、それが歯医者にくる一つの楽しみになってくれてたらうれしいですね。

 

ー歯医者というより、ギャラリーに来たみたいな感じですね。

そうそう、ほんとにギャラリーみたいな感じ。今年の2月には、「だるま展」というみんなで描いただるまを展示するイベントをやって、本当に院内をギャラリーにしました。50個くらいのだるまを並べたんやけど、来た患者さんに、好きなだるまに投票してもらって。もちろん展示することだけが目的ではなくて、来られた方に予防のブラッシング指導をすることも一つの目的なんですけどね。アートと僕の啓蒙活動がセットになってるんです。

▲だるま展を開催した時の様子

 

ーアートが来るきっかけになるんですね。

コロナが落ち着いたら、また大々的なイベントもやりたいね。アートのおかげで、子供たちが予防に楽しんで来てくれたり、メインテナンスの大事さを分かってくれる方も多くなって、歯が悪くなる前に来る方が増えたらいいなーと思います。

 

また、治療を目的に来られた方にはしっかりカウンセリングをします。特に初診の患者さんに対しては、1時間くらいしっかり時間をとってお話しします。それで人間関係ができると、ちゃんと信頼して通院してくれる。治療ってどうしても長くなることもあるし、痛いこともあるので、分からないと不信感につながりやすいんです。しっかり信頼関係を作ると、長い治療にもついてきてくれる方が多いように思います。

▲カウンセリング、治療中の様子

 

ーアートはあくまできっかけで、カウンセリングと信頼関係づくりを大事にされてるんですね。今後やってみたいことはありますか?

うちでまた絵を描くイベントをやりたいですね。2019年の11月に、駐車場のコンクリートにチョークで絵を描くイベントをやって、そのときは40~50人くらい子どもたちが集まったかな。ニューヨークでチョークアーティストとして活動している人が福岡に来るというので、うちにオファーがあってね。そういうつながりができたのもSNSで発信していたおかげですね。子どもたちも楽しんでくれて、その時にブラッシングの説明もしました。

▲イベント時の様子

 

うちの歯医者が、治療するために来る場所ではなくて、人が集まる場所になってくれたら嬉しいですね。その手段として、僕が一番興味があるのがアートなので、アートに関することをやりたい。それで少しでも予防を広めていけたらと思います。

 

むらかみひろし歯科医院ウェブサイト

https://murakamihiroshi-dc.com/

 

Facebookページ

https://www.facebook.com/murakamihiroshidentalclinic

 

インスタグラム

https://www.instagram.com/hiroshimame19790418/

 

村上弘さんプロフィールページ

https://dig-com.work/member/murakami-hiroshi/

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